第1話 全段直結全段差動OTLアンプ製作は世界で初めてかも!
全段直結全段差動の出力トランス付きのアンプの設計、実装は既に完成し、かなり満足出来る音色となりました。直結方式では電圧増幅段の信号ラインへ入っているカップリングコンデンサを省く事により、コンデンサに依る音質の劣化を回避し、楽器ひとつひとつがくっきり浮かび上がる効果を上げましたし、出力段まで全段差動動作にする事に依り、豊かな広がりのある音像までも表現出来るアンプになりました。それはそれで、素敵な音色のアンプなのですが、今年(2010年)の5月頃から、「アウトプットトランスの違いによって低音域の量感が違うのだったら、全段直結全段差動OTLアンプを作ってみたらどうだろう」と思い始めて、回路図を書いてみたら、どうしても電気的に成立しません。成立させるのは、かなり難しいと感じました。パズルを解くように日頃、フツフツと頭の中でイメージし、検討していました。そして、10月10日深夜に初めて図面として回路図を描いた時にそれまで思ってもいなかった回路図の線が書けて基本回路図が完成したのです、まさに降って沸いた感じでした。直結アンプや差動アンプを初めて構想した時と同じように、「大丈夫、なんとかなりそうなんだ」と心の声が聞こえるのです。まだ、現時点はこのOTLアンプも構想だけなので、実機はありません。これから試作をする段階ですが、真空管での全段直結全段差動OTLアンプの製作記事やニューズを見た事がありませんので、完成すると世界で初めてかも知れません。 私を突き動かしているのは素晴らしいであろう全段直結全段差動OTLアンプの音を聞いてみたい気持ちだけです。 画像は今回使用する部品、出力管は6082を8本予定しています